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「吉田くん、今頭の中でいろーんなこと考えてたでしょ?
そもそも、恋愛なんて、頭で考えるもんじゃないの。本能だよ本能。
たとえば、短いスカートの人を見たら、そのスカートの下が気になるなーとか、胸の大きな人を見たら、胸もみたいなーとか思うでしょ?それよ、それ。
だから、僕が吉田くんに恋愛を教えます!って言っても、カリキュラムとかはないからね。
嫌じゃない?『今日はキスをします』なんて言われたら、僕を家にいれたくなくなるでしょ?」
思わず想像して、うなずいてしまった。
「そんなにはっきり肯かれても困っちゃうけどさ…
まぁ、仲良く夕飯食べたり、DVDみたりしているなかで、僕がポイントを教えていくから。
で、ここ!って時に実践に移すから、それを学んでみてよ。」
なるほど。
それならば、変に身構えずにできそうだ。
「わかった。なら、いつからスタートだ?」
そうたずねる俺に、少し苦笑いをしながら、
「恋愛なんて、始めましょうっていって始めるもんじゃないの。
始まっちゃうもんなの。
だから…とりあえず、もう始まってるってことで。」
そう言って、チャラ男は、俺から割れた器を取り上げて、俺のほおに軽いキスをした。
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