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事務所に戻ると、契約のための書類を書かされた。
未成年の俺は、数カ所、親のサインと印鑑が必要な箇所があったため、後日郵送することとなったが、入居に必要なお金を納めたことで、その物件は、俺が借りることが確約された。
「では、4月1日から入居ということで、こちらで手続きを進めますので、書類はなるべく今週中に投函していただけるとありごたいです。」
そう説明する不動産屋の手元には、もう一組、同じような書類が用意されていた。
「それは…?」
「あ、これは関係ないんで、気にしないでください!」
不自然なほどの笑顔に、若干怪しさは否めないが、物件自体はとても気に入っていたので、見なかったことにする。
別に、前に住んでた人が首席卒業生だから気に入ってるんじゃない。
物件自体が、俺の条件にぴったりだったからだ。
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