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「吉田くんは、綺麗だからね。全く問題ない。」
俺を覗き込んだままの姿勢で、クスリとも笑わず、真剣な顔でそう言った。
ん?
綺麗?
俺のこと、綺麗だと言ったのか?
こいつは、やっぱり、頭の中までチャラかったか?チャランポランだったのか?
俺が、怪しいものでも見るような目つきでチャラ男を見ると、チャラ男が、
「何?」
と聞いてきた。
「頭おかしい?」
思わず本音が口から漏れてしまった。
「え?なんで?」
「何度も言うけど、俺、男だよ?」
「だから、知ってるって!」
「男の俺に綺麗っておかしくないか?」
いや、おかしい。絶対におかしい。
「あぁ…」
チャラ男は、なぜか、何かに納得したような顔をして、頷いている。
なんだよ…
「吉田くんはさ、勉強ばかりして、自分の魅力に気付いてないんだね。」
なんか、自分の魅力に気付いてないとか、よくそう言うの耳にするけど、どこをどうとれば、俺に魅力があるなんて言える?
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