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みっともない。
そう自分を罵倒する。
熱を帯びた己を隠すように、自身の体をギュッと抱いてうずくまっていた。
「ちょっと…!」
大体15分かそこらの時間が経った頃、焦ったように息を切らした青年が俺の体を揺すっていた。
「どっか具合悪くなりましたか?大丈夫ですか?」
「……い」
「え?」
「からだ…あつい…」
絞り出すような声をあげる。
これが精一杯だった。
「立てますか?」
その問いに、首を横に振る。
すると青年は俺の腕を自分の肩に回し、ガッチリ腰を掴んだ。
「あんまり力がなくてお姫様だっことかしてあげられないから…とりあえず掴まって頑張って歩いてください」
声も出せず、また頷く。
何処へ向かっているかなど考えている余裕もない。
青年にほぼ体を預け、朦朧とし始める意識を必死に保った。
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