2/6
前へ
/19ページ
次へ
まぶた越しに朝の訪れを知る。 ふわり包まれる様なぬくもりを感じながら、ゆっくり目を開けた。 正体は自分が寝ていたこの大きなベッドらしい。 セミダブルくらいの大きさで、シーツ、枕、掛け布団に至るまで全て白色だ。 ふとベッドサイドに目をやると、床に座りこちらに半身もたれて伏すように眠る想太がいた。 ずっと付いていてくれたのか。 そう思うと申し訳ないような嬉しいような不思議な気持ちになる。 小さく寝息を立てて眠っている想太の頭にそっと手を乗せる。 柔らかな手触り。 パーマのような癖がついた黒髪が、触れる度にじゃれてくる。 その感覚が妙に気に入り、ひとりでに手が動いてしまう。 「ん……う…」 突然想太が寝ぼけたような声を上げ、はっと我に返った。 また…俺は本当に…昨日から何してんだ… 起床から少し時間が経ち、段々と脳が目覚めはじめる。 そして昨日の己の愚行を思い出し、途端に焦りを感じた。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加