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まぶた越しに朝の訪れを知る。
ふわり包まれる様なぬくもりを感じながら、ゆっくり目を開けた。
正体は自分が寝ていたこの大きなベッドらしい。
セミダブルくらいの大きさで、シーツ、枕、掛け布団に至るまで全て白色だ。
ふとベッドサイドに目をやると、床に座りこちらに半身もたれて伏すように眠る想太がいた。
ずっと付いていてくれたのか。
そう思うと申し訳ないような嬉しいような不思議な気持ちになる。
小さく寝息を立てて眠っている想太の頭にそっと手を乗せる。
柔らかな手触り。
パーマのような癖がついた黒髪が、触れる度にじゃれてくる。
その感覚が妙に気に入り、ひとりでに手が動いてしまう。
「ん……う…」
突然想太が寝ぼけたような声を上げ、はっと我に返った。
また…俺は本当に…昨日から何してんだ…
起床から少し時間が経ち、段々と脳が目覚めはじめる。
そして昨日の己の愚行を思い出し、途端に焦りを感じた。
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