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青年は見ず知らずの人間に手を引かれているというのに抵抗する事も怖がる事もせず、ただ黙って付いてくる。
しばらく歩き人の気配が完全に消えると、立ち止まって青年に目をやった。
白い肌が妙に艶やかに見える。
今すぐにでも触れたい。
相手は男だが、それも気にならない程に青年を欲している自分がいる。
ゴクリと生唾を飲み手を伸ばしたのだが、
触れるか触れないかのギリギリのところで
僅かに残る理性が、自分の行動を許さなかった。
頬へと伸ばした手をそっと引っ込める。
(ああ…体が苦しい…)
この香りが自分の中にある何かを掻き立ててくる。
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