訪れ

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青年は不思議そうな顔でこちらを見ていた。 「あの…どうかしましたか?」 「えっと…」 挙動不審な自分が嫌になる。 何の罪もない青年を無理矢理こんな所に連れ込んで一体自分は何をしているのだろう。 すると突然、青年はすっと顔を近づけてきた。 「失礼しますね」 思考が停止して固まっている俺をよそに、青年は腰に手を回すと、ぐいっと体ごと自分の方へと引き寄せた。 「僕の耳の下、嗅いで下さい。」 興奮状態で頭が真っ白になっていた。 言われるがままそっと顔を近づける。 「……っ!!!」 刹那、下半身がずんと重くなり火照った体が異常に疼いた。 「ご、ごめ…ちょっと……」 (初対面の人の体臭で発情するとか…俺はいつからこんな変態に…) 局部はすっかり固くなっている。 この状況は涙が出るほど情けない。 すぐさまその場にしゃがみこむ。 発情した変態だと思われたくない一心で、とっさに取った行動だった。 「大丈夫ですか」 やけに落ち着いた様子で、青年は手を差し出す。 隠しているつもりだが、荒くなった息と体勢からしてきっと分かってしまっただろう。 男ならば尚更。
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