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芸術家と言うものはそんなに気難しいものなんだろうか。
ともかく、この調子では住所なんて聞けるはずもない。
玉城はオーナーのしたたかな笑みを見ながらそう思った。
結局、男性であることと、かなりの変わり者でありことしか分からなかった。
足取りも重く画廊を出た玉城は、通りを挟んだ斜め向かいに手ごろなコーヒーショップを見つけ、立ち寄った。
テラスもあるし、見張るにはちょうどいい。
少し救われた。
ガレージもよく見えるし、車で絵の搬入に来る人物がいればチェックできる。
駆け寄って声を掛け、その反応を見極めることくらいは出来そうな気がした。
気の長い話だが、明日からは探偵ごっこ……、いや、バードウオッチングと行くか。
玉城は気乗りのしないまま、ひとつ深呼吸した。
◇
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