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“いったい何を掘り起こすつもりなんだろう”
そう心の中で自問してみるが、玉城の本心はある妄想に取り付かれて身動き出来なくなっていた。
行方不明の少女の絵。
少女はもうこの世に居ないと仄めかし、少女の背景に描かれた景色と酷似した場所を掘り返す男。
不気味な音を立ててピースがはめ込まれていく。
それはゆっくり完成系に近づきつつあった。
気温が急に下がった気がした。
リクは次の瞬間、大きな土の塊をガバッと掻き上げ少し足を取られそうになった。
土と一緒に白い木の根のようなものが立ち上がる。
何とか体制を整えた彼は、その穴の中を静かに見おろした。
そしてそのまま、固まったように動かなくなった。
手にしていたショベルをぽとりと落とし、ただじっと項垂れてその穴の中を見ている。
玉城の位置からではその表情までは分からない。
思わず体を前のめりにして、後方からリクの掘り起こした土の中を覗き込んだ。
薄暗い上に遠くて見えづらかったが、先ほど掘り起こされ、穴の中に見えた白い物体は、木の枝や根っこではなかった。
変色した布切れが、申し訳なさそうにその棒状の物質に絡まっている。
本物など玉城にしても見たことは無かったが、けれどもそれが何なのかは分かる。
人の手だ。
よく肥えた大地に取り込まれ、すっかり露わにされてしまった人間の手の骨だった。
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