通じる思い

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教室の戸を開けたら、そこには… 今日も切ない風景があった。 「あ、豊田おはよ!」 大好きなキミは、俺の友人に向けてた笑顔をこっちに移す。 「はよー。 だんだんカップルらしくなって来たなー。 こっちまで寒さがぶっ飛ぶよ」 最近付き合い始めた2人を、そう茶化す。 シャイな友人、野上は… 照れ臭そうに視線を流し。 「とっ、豊田、褒めすぎ! 今ねっ?盛り上がってただけ! クリスマス!もーすぐだからっ…」 テンパり屋のキミ、岸田深紅は… 余計、ラブラブ話題をまき散らす。 しかも褒めてはない。 付き合った当初は俺に遠慮してか、このクラスに来なくなった深紅ちゃん。 親友なら、そんなの水臭いし… "遠慮すんなよー"って言おうとした矢先。 毎朝来るようになって、野上と幸せそうにイチャついては… 俺を切なくさせる風景を、繰り広げる。 いや、それでいいんだけどさ…
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