22人が本棚に入れています
本棚に追加
教室の戸を開けたら、そこには…
今日も切ない風景があった。
「あ、豊田おはよ!」
大好きなキミは、俺の友人に向けてた笑顔をこっちに移す。
「はよー。
だんだんカップルらしくなって来たなー。
こっちまで寒さがぶっ飛ぶよ」
最近付き合い始めた2人を、そう茶化す。
シャイな友人、野上は…
照れ臭そうに視線を流し。
「とっ、豊田、褒めすぎ!
今ねっ?盛り上がってただけ!
クリスマス!もーすぐだからっ…」
テンパり屋のキミ、岸田深紅は…
余計、ラブラブ話題をまき散らす。
しかも褒めてはない。
付き合った当初は俺に遠慮してか、このクラスに来なくなった深紅ちゃん。
親友なら、そんなの水臭いし…
"遠慮すんなよー"って言おうとした矢先。
毎朝来るようになって、野上と幸せそうにイチャついては…
俺を切なくさせる風景を、繰り広げる。
いや、それでいいんだけどさ…
最初のコメントを投稿しよう!