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何年か後の自分からメールが届くだなんて、ましてやそれが遺書だなんて。
…信じられない出来事だろう。
何かに呼ばれたかのように私はそれに見入ってしまった。
「親愛なる過去の自分へ
この時代の私は全てにおいて、正しいと押し付けられることを否定しながら生きてきた。
自分が忠告されたこと、注意されたこと、全てを聞いたつもりでいただろうが、自分の意志を持ちたかったのだろう」
「私は今でも自分の生き方には後悔していない。だが、もしこれから私が死ぬ前に残すこの遺書を、過去の私が受け入れることが出来るならばどんな未来の花が咲くのだろうか? 私はそれが知りたい」
……あなたの回答をずっと待っているから。
と、この言葉で締められたこの遺書は、長い長い未来への物語だった。
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