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時間旅行社の玄関を入ると2人の社員がいて、対応してくれた。
1人は、この会社の代表の若林 宏(わかばやし ひろし)さんという男性で、画期的な装置を発明した天才科学者らしい。
しかし、見た感じは、ごく普通のおじさんといった感じで、とても天才科学者には見えない。
もう1人は、この会社のスタッフの結城 未来(ゆうき みらい)さんという女性で、やはり科学者らしい。
結城さんは、身長が高くてスラリとしたスタイルで、顔立ちも美人系のため、まるでモデルのような感じで、とても科学者には見えない。
話を聞くと、過去にタイムトラベルできる装置を発明したということらしく、この装置を使って過去への時間旅行を楽しむためのサービスを提供する会社ということだった。
この装置は、いろいろな制約があるということで、詳しく説明してもらった。
1つ目は、タイムトラベルできるのは、10年前の今日のこの時間のみということである。
例えば今日が2025年10月15日の15時30分の場合、2015年10月15日の15時30分にタイムトラベルすることができるというのである。
2つ目は、タイムトラベルする場所は、今いる場所と同じ場所ということである。
例えば、今時間旅行社のビルの5階にいるが、10年前の同じビルの5階の同じ場所にタイムトラベルすることができるというのである。
ここで気を付けなければならないのは、ある10階建てのビルの屋上でタイムトラベルし、そのビルが10年前に存在せずに更地だった場合、10年前にタイムトラベルしたとたん、ビルの10階の屋上の高さから転落してしまうということである。
3つ目は、タイムトラベルして過去に滞在できる時間は12時間以内で、日を跨って過去に滞在することはできないということである。
4つ目は、未来に戻るときは、過去にタイムトラベルした時と同じ場所からでないと戻れないということである。
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