始まり

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キィ、と静かに扉を開けるとマイク越しの彼女の声が聞こえた。 「初めまして。星燈高校の生徒会長をしています、百合原華菜(ゆりはら かな)です」 スクリーンを使っての説明会らしく、部屋は電気が消されカーテンがしてあったので、薄暗い。 彼女は大勢の親子の前で緊張している様子もなく自己紹介をしていた (……へぇ、生徒会長なんだ……) 心の中でそう呟きながら、母さんを探す ちょうど彼女…百合原さんが話している教卓の前の列の、3番目に母を見つけた。 ささっとそこまで行き、隣に座る俺 「ちょっとあんた、遅いよ」 「ごめん、迷子になってた」 小声で少し会話をして、改めて百合原さんを見る
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