第1章

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アルバイトも学校生活もうまくいかず死にたいが口癖になっていた。そう言うたびに私を見るまで待っていたみたいに目が合った直後亡くなった祖父のことを思い出す。中学生だった私は家族の前で泣くのが恥ずかしくて近寄ることも最後のお別れを言うことも何も、できなかった。できることならあの時に戻ってちゃんと「じじ、来たよ」って「ありがとう」ってしっかり目を見て伝えたい。そのためならなんだってできる。その夜、奇妙な夢を見る。目の前には黒いマントで全身を覆った男性が立っていた。「丁度良かった、私の仕事を手伝ってください。」仕事というのは回収した魂をリセットすることらしい。しかしその魂に強い思いがあるとリサイクルに回せないそしたらその思いを晴らすべく必要な人間等の魂を一端借りて思いを解消させるのだそうだ。この作業が手が足りずに何年分も溜まってしまっている。私はやってみることにして様々な生き物の思いに触れる。
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