第1章

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「あれ?お前まだいたの?」 夕日が差し込む教室で、窓から外を見ていたあいつに声をかけた。 驚いたように振り向く顔は、逆光でよく見えない。 「委員会、終わったの?」 いつもと同じ、可愛いと評判の声で聞いてきた。 「終わった終わった。あー、くっそ眠かった」 鞄を持ってそう答えると、微かに笑う気配がする。 「悠くん、変わらないなぁ」 そう呟くと、あいつは風のように俺の横を通り過ぎた。 小さな声で「バイバイ」と言いながら。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!