68人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
***
話は、約3年前にさかのぼる。
2013年3月23日。
俺と唯、そして唯の姉の3人で学校のジャングルジムのてっぺんに座っていた。
唯の姉は俺達とは4年離れていて、その年の春で高校2年生になるはずだった。
「ねーちゃん、中学生ってどんな感じ?」
「そうねえ、あんまり変わんないわよ」
「そうなんですか?」
「いい、りゅうくん。人間っていうのはいきなり変われるもんじゃないのよ」
「そうなのかー」
「ねえ姉ちゃん、僕たちの卒業式見に来てよ!」
「もっちろん!」
黄昏のジャングルジムで、のんびりと過ごす時間。
「さあ、帰りましょ」
最初のコメントを投稿しよう!