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「静かに。わたしが今ここにやって来た理由がわかっただろ。きみは美紀と付き合おうと思っている。でもダメだ。付き合ってはいけない。わたしは実際に付き合ったから言えるんだが、恋人同士のときはやさしい性格だった。結婚してもしばらくはおだやかで気立てのよいままだった。しかし、進化が起こってから妻は変貌した。彼女はIQが五千まで跳ね上がって、自分以外は全員バカにしか見えなくなってしまったんだ。わたしなど、虫けら扱いだ。もうこれ以上、我慢できない。だからきみにお願いにきた。二度と、竹下美紀と会うのをやめるんだ。きみ自身が不幸になりたくないのであればそうしてくれ。……まずい、残り二分を切っている」
俺は勢いよくうなずいた。
そういうことならば、竹下さんと付き合うのはやめる。そりゃそうだ。
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