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あれから数日後。
オレたちは次の街に行くために森の中を歩いていた。
「ん? ああ、オレの傷? もうだいぶ治ったから全然大丈夫!
それよりも、早く街に行かないとオレたちの食料が底をついちまう。」
あいつがオレのことを心配そうに見てたからそう答えた。
って言っても、街まであと少し!
夕飯までには着けるだろうな。
「なあ、夕飯なに食べる? 久しぶりにウマいものでも食べようぜ」
あいつが、そうだなっていう風に笑う。
「これから行く街はアンデ街っつって、肉がウマいんだってよ」
ふんふん、と首を縦に振る。
と、そのとき。
茂みから黒い物体が飛び出してきて、オレたちに襲いかかってきた。
オレは直ぐに氷を飛ばし黒い物体の進行方向をずらす。
地面に転がり落ちたその黒い物体は、むくっと起き上がりオレたちを睨みつけた。
その姿を見てオレは驚いた。
なんと、それは……
ウルフマッチだったんだ。
ウルフマッチってのは、オオカミ族の中でも1番タチが悪いって言ってもいいくらいのやつだ。
あれは、灰色の毛並みに頭から腰まで赤みがかった毛が生えててかなりかっこいい!
けど、敵となるとすんごい厄介者。
あれは炎を操れるんだけど、その炎に当たるとダメージは受けるわ、幻覚は魅せられるわでもう大変らしい。
オレは生で見るの初めてだけど、あいつは見たことあんのかな? すげー落ち着いてるように見える。
っていうか、なんか気迫がすごい……!
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