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次の日、目を覚ましたらオレの荷物以外が全て無くなっていた。
向かい側のベッドはきちんと整頓されてて、部屋はオレ1人だけだった……。
「おい! オレの連れはどこに行った!?」
オレはフロントのじいちゃんに聞きにいった。
「ああ、その人なら夜遅くに宿代払って出て行ったよ」
「なんだって!」
早く探さないと!
と思い部屋に戻ろうとしてカウンターから飛び降りると
「うぅ……」
前足をひねって床に倒れ込んでしまった。
「うわあ。大丈夫かい? 君が言ってたその人、宿代を余分に払って行ったんだ。たぶん、君に休んでもらいたかったんじゃないか?」
「そうか…。」
オレはフロントのじいちゃんに前足の手当てをしてもらって、その日はずっと布団の上で寝てた。
あいつを早く探せるようになるために。
どうしてオレを置いて行ったんだよ。オレがお前の足手まといだったからか? それでも、オレたちずっと一緒に旅してきて前よりもずっと仲良くなって、少しはお前のこと…分かるようになったと思ってたのに……。
クソ野郎!
オレは2日後、かなり体調も良くなったからあいつを追って旅に出た。
今度は1人だけで……。
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