第三章

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僕は全てを話した。 謎の病のこと。余命のこと。有紀のこと。本当は一緒にいたいこと。 話している途中で有紀は泣いていた。 圭吾さんと沙希さんは何も言わずに抱きしめてくれた。 その温かさに触れていると、僕はあと一カ月で死ぬかもしれないのに、なんとなくこれでもいいかななんて思ってしまった。 僕が落ち着いたところで有紀ともう一度話し合うことにした。 この先のこと、メールのこと。 メールのことを話すと驚いたようにしていたが、「不思議だね。でもまあ、いっか」なんて言って彼女は笑った。 「でも、もし慶ちゃんが死んだら、私も死んでたかもしれない」と彼女は静かに呟き、僕を茶化すように続けた。 「でも良かった。慶ちゃんとまた話せて。唐揚げ作って正解だったな。でも泣くってそんなに美味しかった?」 僕は今更恥ずかしくなって視線を足元に落とした。 「味は普通だったんだけど、なんだろう……なんだか懐かしい感じがしたんだよ」 僕がそう言うと彼女震える声で「それは愛情っていうんだよ」とだけ言った。 その言葉にふと視線をあげる。 そうかもしれない。 口には出さなくても互いの気持ちが伝わったような一瞬だった。
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