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「情けない話ですが、ラプラスに原因が分からなければ私達にはわかりません」
少し白髪が混じった今野と名乗る医師は眉を寄せそう言った。
あのメールの続きには死因が報告されたのだが原因は不明。
急いで病院に来たがこのありさまだ。
「ラプラスが誤作動を起こしたとかじゃないんですか」
平静を装ったつもりだったが、僕の声は震えていた。
「正直、前例がありませんし何とも……ラプラスが誤作動を起こしたというのも信じがたい話ですし」
「前例がないって……再検査!再検査します!」
藁にもすがる思いだった。こんなところで死ねない。まだやりたい事がある。見たいものも行きたいところも。それに有紀の事だって。
この後、僕はすぐにラプラスの検査を受けた。
無理を言って分析も急いでもらった。
そのおかげで翌日には検査結果が届いた。
でも検査結果は、残酷なほど一致していて、唯一変わったところといえば余命が1日減ったことだった。
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