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空の大半を埋め尽くすように林立していた建築物は全て灰燼に帰していた。文明を想起させるものは何もない。生命反応と言えば点々と繁茂する植物と、その間を駆け抜ける黒く小さな節足動物だけだ。
結局、私が調査した土地のすべてが同じような状態だった。都市圏に限らず、長閑な田園地帯や、風光明媚な観光地まで、それらは完全に失われていた。
次の瞬間、見たことのない生物が現れた。私の膝丈ほどの体高があるそれは、地面の一点を執拗に嗅ぎまる。何をしているのだと見守るうち、そいつは地面を掘り始めた。
そこに現れたものを見て瞠目する。紛れもなくそれはヒトの骨だった。
そこから抽出されたDNAを元に、ヒト再生計画は始まった。
今、私の前には二体のヒトがいる。アダムとイブと名づけた彼らは、近々元の星へ放される予定だ。荒廃した地球が、再びヒトで溢れかえることを期待して。
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