孝宏と同級生

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喜多奏斗、俺と同じ学年だ。 とりあえず、同級生から仲良くなっていこう。 「あ」 「あ?」 なんて呼ぼう。馴れ馴れしく名前で呼んで印象を悪くしたくない。 ならば苗字で呼ぶのが正しいのかと言われると、堅苦しく思われてしまうだろう。 よし。 「次、体育だけど」 「あぁー、体育ねー、知ってるー」 「体育は寝ないけど、体育の為に体力温存してるとか?」 「んー。まぁそんなとこー」 「……」 か、会話が無い。 このままではつまらない奴だと同級生に知られてしまう。 「えっと、誰だっけぇ?」 「あ、俺は二村孝宏!気楽に孝宏って呼び捨てで良いから!」 「おぉ?食い気味に来たねぇ」 「あ、ごめん。幼なじみと競争しててつい…」 「幼なじみ?」 「一つ上で、この学校に居るんだけど。何かと競争相手になることがあるんだよね」 「へぇ?勝ってる負けてる?」 「半々、かな?」 「今はなんの勝負ー?」 「友人の数」 「おぉ。なるほどぉ!ん?てことは俺が選ばれたと?」 「うん。選ばれた」 「おぉ!やったぁ!」 「えっと、なんて呼べば良い?」 相手に呼び方を聞けば、失礼も馴れ馴れしさも堅苦しさも無くてすむ。 .
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