我が名はタナー

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我の名はタナーだ。タナー・カークン。 ゼネグレイ王家に仕えし聖騎士だ。 そのはずだ。 王は市民革命に屈せず、しかし闘うことはしなかった。我にも剣を抜かないようご指示なされた。 屋敷に上がり込んだ市民たちは兵士を、我が部下たちを次々と殺したのだ。 我は込み上げる怒りを抑え込み、王の後ろでただ傍観していたのだ。 そうだ、そこまでは覚えているのだが。 「ここは……どこだ……?」 この灰色の固い地面、石路か? なんと広大な一枚岩なのだ、細長く続いているではないか。 周囲の建造物も奇妙だ。 木造……なのか? それとも石造か? なんと鮮やかな色をしているのだ。 ここは我らが国ではないのだろうか? 市民に眠らされ、異国の地へと運ばれたに違いない。 奴らめ、この我に臆したか。 しかしこのような国の存在は認識していなかった。見たところ、かなり潤っているようだが。 道全体を灰色の一枚岩で構成しているあたり、かなりの国税を民から徴収し兵士たちの通り道を… いや、それならば建造物の鮮やかさが説明できん。 もしや、この国では民の通り道をここまで整ったものにしているというのか? だとすると、かなりの経済力を有する国のはずだ。今まで確認していなかったことは問題であるぞ。
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