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「くしゅん!」
ぴゅうっと北風が吹いて、くしゃみが出た。
ぼくはお母さんに頼まれて、おばあちゃんちに大根をもらいにでかけることになった。歩いていくと結構時間がかかるから、いつもはお父さんかお母さんの車ででかけるんだ。
だけど、もう5歳なんだから一人でも大丈夫よ、ってお母さんが言うから、ぼくも勇気を出しておつかいに行くことに決めたんだ。
だけど……。
「おばあちゃんの家ってこんなに遠かったっけ?」
車だとあっという間に着くのに。
それに、やっぱり一人ぽっちで歩くのは寂しい。
「こんなことならおつかいなんてやめればよかった……」
だけど、ここまで来て戻るのも嫌だ。もう少し頑張ろう。
そうして歩いて体がぽかぽかと温まってきたころ、ぼくはその声を聞いた。
「よく来たね」
その家の前におばあちゃんが立っていた。ぼくはその優しい声を聞いてすごくほっとしたのだった。
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