プロローグ 歓迎会

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ーー1時間後ーー やばい、勧誘会終わっちゃうよ。 だってさ、バスケ部の男子かっこいいんだもん。 物色するに決まってんじゃん。 男子バスケ部に絡みすぎて出禁を食らった梓は、ようやく勧誘を始めることにした。 ーー30分後ーー 詰んだ。 考えてみたら部活なんて一時間もあったら大体決められるよね。 かおりの般若顔を想像して震えていると、体育館の隅で松葉杖を持った少年がぼーっとしているのを見つけた。 「そこの少年、水泳部でマネージャーやらない? やってよ!てかやれ!こっち来て!」 無理矢理手招きすると、その少年は一瞬ためらいながらも大人しく付いてきた。 実を言うと、なかなかのイケメン。 どこかさびしげな大人の表情をしている。 なぜだろう。 ちょっとだけ、見とれてしまった。 松葉杖の原因を知ろうともしない梓は、意気揚々と部室へと向かった。
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