夢じゃない朝

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「ありがとうございます」 「おう。それ食って体力つけてシュテルン石を見付けてくれ」  ヴィーゼルはサンドイッチの箱を閉めて、それを部屋の隅に持って行く。  部屋の隅には見覚えのないクッションや小さな棚などが置かれ、いつの間にかヴィーゼルの巣が出来上がっていた。  ヴィーゼルのリュックもそこに置いてあり、ヴィーゼルはサンドイッチの箱をリュックにしまう。 「もうヴィーゼルも外に出られるか? 家の鍵をかけたいから一緒に出るぞ」 「大丈夫です。準備万端」  ヴィーゼルはリュックを背負った。 「よし、じゃー出るか」  薫も黒の手提げカバンを持ち、玄関に向かう。その後を、ヴィーゼルがテトテトと続いた。  薫が玄関を開くと、太陽の眩しさが目に入る。アパートの二階から見える空は、どこまでも青空が続き快晴だった。 「今日も一日晴れそうだな」 「いいお出かけ日和です」  薫は仕事へ、ヴィーゼルはシュテルン石探しへと出発した。
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