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触手の先が、しましまパンツの先にかかった。
「ネズミ!」
悲鳴にも似た声を上げ、カオルは白いイタチを急かす。
「よし、これですね」
白いイタチが、ターンと勢いよく払うようにしてキーボードを叩く。すると、ノートパソコンの画面から、緑色の大きなハサミが出て来た。ハサミの中心にはハートがあしらわれている。
「どんな植物も真っ二つ。チョッキンリーフ! これで、触手もバッサリです」
「早く切ってくれ!」
触手はパンツの端にグルグルと巻きつき、今にも下ろそうとしていた。
白いイタチはハサミを口で掴み、触手の上を走ってカオルのもとに急ぐ。植物はカオルにしか興味がないのか、白いイタチを攻撃してこない。
白いイタチは触手の上をスイスイ走り、カオルのそばまで来た。
「腕の触手を切れ!」
カオルの言う通り、白いイタチはカオルの右腕に絡みつく触手を切った。
「よし! ハサミ寄こせ!」
白いイタチからハサミを受け取ると、カオルはすぐさま自分に絡みつく触手を切った。左腕、腹、腰、パンツ、足と順番に触手を切っていく。
身体を支える触手がなくなり、カオルは地面に落ちるが、クルンと身体を回し、うまく着地する。そして、ズリ下げられたカボチャパンツを上げた。白いイタチもその隣に着地する。
「こんの変態植物が。覚悟しろよ!」
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