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なんでこんな目をするんだろう。
こんな目で見るんだろう。
……悪いと思っているから?
自分じゃなく、梨絵奈を選んだことを?
だからだろうか。
あくまでも自然体で振る舞っているとばかり思っていた松下が、決してそうではないことにも、肌で気付いてしまった。
以前と変わらず接してくれているように見えて、その実、松下は自分を気遣っている。
繊細な、壊れやすいものを前にしているかのように、あるいはこちらをうかがっているかのように、一歩退いて自分の側にいる。
それでいながら、表面上は、以前さながら屈託なさそうに話し、笑う。
それは、無意識なのか、
そうではないのか。
幸成は感じる。
松下と自分の間に、透明な、薄い膜のようなものができてしまったことを。
今までなかったものが明らかに存在していることを。
これで、前みたいな友達になんて、戻れるの?
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