彼のそば

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緒川からは、もりーの寝言とイビキはまじ凄まじいから覚悟してて、と脅しのようなことも言われたけれど、幸成は、我慢するよ、泊まってくれるだけでうれしいし、と返した。 すると、ややしてから、また緒川から返事がきた。 『ゆっきー、森宮に泊まってほしかったの?』 と、どこかすねたようなことを訊かれたから、 『緒川にもだよ なんか寒くなってきたせいか、最近ひとりでいると寂しいからさ 寒いのキライだし』 『おれ、寒いのわりと平気! 体温高めだし おし、おれがゆっきーを、あたためてーあげよ~♪』 『本気であっためてほしいよ おれ冷え症だから、身体キンキンに冷たくてキツい』 『まかせろ!! 本気であっためてやる!!』 『頼んだ』 『てか、血行不良の君には、本気でマッサージしてあげるよ おれ上手だよ』 『頼みたいけど、それは無理かも おれ、すごいくすぐったがりだから、たぶん笑い死にする』 『じゃ、死なない程度に』 緒川とそんなふざけたやり取りをしているうちに、波立っていた心が、しだいに凪いでくるのを感じた。 ベッドに横になっていた幸成は、そのままいつしか眠りに落ちていた。
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