第1章

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「警察の忘新年会」 警察の忘新年会を想像してみた。 そこでは色々な余興が行われているだろう。 そして、その中に必ずあると思うのが鑑識課員によるカードマジックだ。 鑑識課員は、たくさんのトランプの中から一枚のカードを同僚に選ばせ、暗記してもらった後、元のトランプの束にカードを戻させ、ひとしきりカードを繰る。 まあ、ここまでは普通のカードマジックだ。 しかし、ここからが鑑識課員の本領発揮となる。 鑑識課員は、耳かきのふわふわを大きくしたような奴を取り出し、テーブルに並べたトランプを一枚一枚パタパタして、トランプから採取した指紋と同僚の指紋を、パソコンを使ってカチャカチャと照合するだろう。 そして数分後、 「あなたの選んだカードは、これですね」 と得意げに言って一枚のカードを差し出す。 こんな恐ろしく間延びのするカードマジックを見てみたい。
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