第1章

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「美味そうな蚊がいるぞ」 「美味そうだ」 「美味そうだ」 蛙が僕を見て舌なめずりを見せた。トンボは嬉しそうに宙返りをし、蟷螂は鎌を研いで光らせた。僕が食べられるのは言うまでもない。だけど家族に逢いたいよ! そうだ、天高く上がれば。 僕は太陽に向かって上昇した。 だめだ。この軽い体では風がきつくて流される。この田んぼを突っ切るしかない。
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