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目覚めると母親が来ていた。
太郎に電話を何回も掛けたが出てくれなかったため、心配になって家まで来たらしい。
そしたら魂の抜けたような状態の太郎を見つけ、救急車を呼んだ。
診断結果はうつ病・・・だった。
目撃してしまった殺人。追い込むように来た奇妙なメール。太郎の精神は壊れてしまっていた。
太郎は少しずつ、人に慣れるよう努力をした。
「もうあの殺人犯は捕まったよ」
母親からそれを聞いて先生と看護師とは少しだけど話せるようになった。
そして先生からある提案を受けた。
「老人ホームでお年寄りの方たちと会話をしてみるのはどうだろう」
太郎はたくさんのお年寄りの方と話した。太郎を孫のように可愛がってくれた。
そしてそのおかげでうつ病の症状は無くなってきていた。
―――数年後。
太郎は老人ホームで働いていた。お年寄りからは太郎ちゃんと呼ばれ慕われている。
「おーい。太郎ちゃん。ちょっとー」
「タツじいちゃん。どうしたの?」
「これこれ」
そう言われ小さな段ボール箱を渡された。
タツじいちゃんの息子は発明家らしい。いろいろな機械を世にだしたすごい人だった。
そしてこれは息子に内緒で持ちだした新しい発明品。
詳しい話はしてもらえずタツじいちゃんは去っていった。
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