《え?!いきなりそれ?》

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【校長の家】 校長の家に行くと、他の先生方がいらしていた。 社会科の魚路道成先生と、若い方は体育の一本木竜太先生。 近くの学校が廃校になって、奥山町の学校は中町学園だけになったそうだ。 それで、小学校から高校まで一緒になったので、僕らが呼ばれたようだ。 【廊下】 ビールを呑んだので、トイレに行きたくなった。 どこだろう? こっちかな? 〈その時、向こうから若い女の子が来て立ち止まった。一瞬時が止まったかのようになる。彼女は驚いて〉 「あっ」 新しく来なった先生? いつも夢で見る人に似てる。 この子…知ってる気がする…またデジャビュ? 「こんばんは」 「こんばんは…あの…私…失礼します」 いかんいかん。 過去に知ってるか考えてたら、ジッと見つめてたみたいだ。 うーん…知ってる子の中には居ないか… じゃあ何なんだ? さっきの妙に懐かしい感じは… 「おっと、トイレ、トイレ」 「鐘城先生。こんな所で何してるの?」 ああ、晶子さんだ。 助かった。 「トイレ探してたら、迷っちゃって」 「トイレなら、あっちよ」 「そうスか」 「今若い女の子が通ったけど…」 「姪かしら?この家には妹の子供達が住んでるから」 そうなのか… 「ほら、早く御手水に行って来なさいよ」 【晶子の姪の部屋】 「あーびっくりした」 夢に出て来る人が、本当に現れるなんて… ああ、まだドキドキしてる。 「か・お・り」 「お姉ちゃん」 「今ね、そこに鐘城先生が居たのよ」 やっぱり新任の先生だったんだ。 「私さっき会った」 「あらそ」 姉の涼子は巫女なんだけど、意外と新し物好きなの。 先に自分が会って、私に教えたかったみたい。 「ねえお姉ちゃん。鐘城先生って、夢に出て来る人に似てるの」 「夢って、あの良く見る不思議な夢?」 「うん」
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