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勇人の声「前も言った、酔っ払ってんの?パチンコは?もうやめた?」
青田「ま、まぁな、母さん元気か」
勇人の声「あのさ、用がないなら切るね」
電話が切れる。
青田、携帯を投げ仰向けに寝転がる。
○別荘 外観
白い外壁の別荘。「軽井沢水道局」と書かれた車が横づけされる。ドアが開き青田が出てくる。
○同 リビング 中
入ってくる青田。
青田「誰もいませんかー、軽井沢水道局です、工藤さーん、入りましたよー」
世界中の風景を撮った写真のパネルが並ぶリビング。驚いた顔の青田。
暖炉の上に黒人の子供がニッコリ笑っている写真。子供の傍らには銃。
写真を楽しそうに見て回る青田。
青田の背後から舞の声。
舞の声「う、うーーん」
青田、振り向く。
ソファの上で起き上がる舞。
青田の声「あのーおはようございます」
目を凝らす舞。目前の青田に気付く。
舞「あっおはよう、ってあんた誰?」
青田「あのー軽井沢水道局のものです」
舞、さらに目を凝らす。
舞「あーあんたこないだのスナックで女口説いてたおっさん、何あんた私を犯しにきたの」
青田、慌てて、
青田「そうです。いや、そうですってのはスナックにいたってことで、犯すとかそんなのはなくって」
舞「なんなのよ、早く出て行ってよ」
舞、身近にあるパネルを片っ端から投げつける。
青田「痛っ、痛い、違うんです。私は水道局のもので、呼んだでしょ、電話して」
舞、手を止める。
舞「あ、そっか」
青田、安堵の表情。
○同 キッチン 中
シンクの下の戸を開け排水管を修理する青田。独り言を漏らす。
青田「冬も手入れしに来ないとダメなんだよ。冬に凍って割れるの知らないんだよなぁ、よそもんは」
舞の声「思いっきり聞こえてるよー私に言ってんの?」
青田、驚いた瞬間に頭をぶつける。
青田「痛っ」
青田、起き上がる。
舞、笑いながら、
舞「ウケる、さっきから慌てすぎ、ねぇおっさん、地元の人だよねぇ」
青田「へ?ま、まぁ」
舞「じゃあ、明日休みでしょ、案内してよ軽井沢、せっかく来たからさぁ、仕事だけど。飲んだくれてどこにも行ってないからさ、不法侵入は黙っといてあげるから」
青田「へ?不法」
あっけにとられる青田。
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