sky's the limit

3/7
前へ
/7ページ
次へ
勇人の声「前も言った、酔っ払ってんの?パチンコは?もうやめた?」 青田「ま、まぁな、母さん元気か」 勇人の声「あのさ、用がないなら切るね」 電話が切れる。 青田、携帯を投げ仰向けに寝転がる。 ○別荘 外観  白い外壁の別荘。「軽井沢水道局」と書かれた車が横づけされる。ドアが開き青田が出てくる。 ○同 リビング 中 入ってくる青田。 青田「誰もいませんかー、軽井沢水道局です、工藤さーん、入りましたよー」 世界中の風景を撮った写真のパネルが並ぶリビング。驚いた顔の青田。 暖炉の上に黒人の子供がニッコリ笑っている写真。子供の傍らには銃。 写真を楽しそうに見て回る青田。 青田の背後から舞の声。 舞の声「う、うーーん」 青田、振り向く。 ソファの上で起き上がる舞。 青田の声「あのーおはようございます」 目を凝らす舞。目前の青田に気付く。 舞「あっおはよう、ってあんた誰?」 青田「あのー軽井沢水道局のものです」 舞、さらに目を凝らす。 舞「あーあんたこないだのスナックで女口説いてたおっさん、何あんた私を犯しにきたの」 青田、慌てて、 青田「そうです。いや、そうですってのはスナックにいたってことで、犯すとかそんなのはなくって」 舞「なんなのよ、早く出て行ってよ」 舞、身近にあるパネルを片っ端から投げつける。 青田「痛っ、痛い、違うんです。私は水道局のもので、呼んだでしょ、電話して」 舞、手を止める。 舞「あ、そっか」 青田、安堵の表情。 ○同 キッチン 中 シンクの下の戸を開け排水管を修理する青田。独り言を漏らす。 青田「冬も手入れしに来ないとダメなんだよ。冬に凍って割れるの知らないんだよなぁ、よそもんは」 舞の声「思いっきり聞こえてるよー私に言ってんの?」 青田、驚いた瞬間に頭をぶつける。 青田「痛っ」 青田、起き上がる。 舞、笑いながら、 舞「ウケる、さっきから慌てすぎ、ねぇおっさん、地元の人だよねぇ」 青田「へ?ま、まぁ」 舞「じゃあ、明日休みでしょ、案内してよ軽井沢、せっかく来たからさぁ、仕事だけど。飲んだくれてどこにも行ってないからさ、不法侵入は黙っといてあげるから」 青田「へ?不法」 あっけにとられる青田。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加