ショートボブがタイプ

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私は絶句した。 無論、未来の自分からメールが来たという頓狂な事実にも驚かされたが、一番はその内容の事である。 『ショートボブがタイプ』 私は、切り揃えられた自分の髪の毛を撫でながら、その一文を穴が空く程に凝視した。 いつの間にか、身体の高揚感は何処かに行ってしまっている。 背筋に寒いものが走り、身体がブルッと震えた。 湯冷めしたのでは無いと思う。 認めたくない現実に直面した時の恐怖だ……きっとこれは。 ……その時。 ピンポーンという音が、玄関から鳴り響いた。 彼……日向隼人が来たのだ。
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