ショートボブがタイプ

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「なんか、今日冷たくない?」 「そ、そんな事無いよ」 部屋に着くなり、私の身体に貪りつこうとする彼を、私はやんわりと拒絶した。 昨日の私であれば、私を求愛する彼に対し、素直にこの身体を預けたに違いない。 でも今日は違う。 あんなにも愛しく思えた彼が、今の私にはケダモノのように見えてしまう。 ハッキリとした言葉で表すならば、抱かれたく無い……。 私は遠回しな表現で、その事を彼に伝えた。 彼は唖然としていた。 「……ど、どうしてだ?」 「お願い。今日はもう帰って。そんな気分になれないの」 「なんでだ? 昨日はあんなに俺の事を好きだって云ったじゃないか」 「………………」 私は返す言葉を探すのに困窮した。 疑問を抱いてるという意味では、私も彼と同様なのだ。
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