現在:西島ツトム

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「…………フフ」  心が躍る。  朝の冷たさを忘れるほどに、身体中の血がめぐり、熱を帯びていく感覚がわかる。  寝ぼけ半分だった視界の不明瞭さも霧散し、脳が活性化してく。  この問題はなぜオレに向けられたのか。  このメールを送ったのは誰なのか。  そして、この謎の答えは何か  ワクワクする。  日常的で覆われていた空間が、突然に非日常へと変わっていく。  今、この楽しみを味わえるのはこのオレだけという特別感。  顔を上げ、目の前の信号機を見る。  対岸にある信号機は未だ赤い光を出し続けている。 「おもしろい」  解いてやろうじゃないか。この謎を。
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