第1章

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「誰から?」 「迷惑メールだよ」 俺は彼女の質問に応える。 「見せて」 疑い深い彼女は、俺の手から携帯を奪っていく。 「ね? 迷惑メールでしょ?」 「……読んだ?」 彼女は、携帯をまじまじと見つめている。 「ううん。開かなくても迷惑メールだってわかるし削除しちゃっていいよ」 知り合いからのメールはフォルダを作って振り分け先を指定している。 メルマガも専用のフォルダを作ってあるし、受信箱に入るのは大概迷惑メールだ。 受信箱に入ってるのを見ただけで削除されても問題無いと判断した俺は内容どころか送り主も見ていない。 「……いいから読んで」 彼女は、携帯の画面を俺に向けた。 俺は、言われるがまま画面を見る。 ――― FROM:○△□☆@……… 予想通り差出人は知らない。 しかし、件名を見るなり俺は携帯を奪い返す。
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