0人が本棚に入れています
本棚に追加
…追い…詰めたぜぇ…。
…どこの教室?…知った…こっちゃねえ。
…息が…切れた…。
走ったから、じゃねえ。
興奮! したんだ。
まだ、おさまらねえ。
深呼吸だ。
平静を装う。
コノミも、覚悟を決めた、のか…。
少し顔がこわばったような、いや、平静を装っているのか、引きつっている、口元が。
…興奮、するぜ。
「…わっ!…わたしが、男だとよく見破ったね…」
叫ぶように言葉を吐き出すのかと思ったが、コノミは、平静を保ったのか。
オレはもう、十分に落ち着いた。
「…ああ、オレのコノミだからな…」
「…えっ…」
カバンがコノミの手から離れ、『パタン』と音をたて落ちた。
コノミが軽く、戸惑いの顔を見せる。
思った通りの、オレのコノミだ。
「…名前、教えてくれないか…」
…オレは…オレの好みのこいつの名前を、はじめて知った。
最初のコメントを投稿しよう!