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「ほら、起きなさい!!いつまで寝てるの!」
高校一年の秋、俺はいつもどおりの母親の怒鳴り声で目が覚めた
「うるせーなぁ・・もう少し寝かせろよ」
「は?あんた、さっきから そればっかりじゃない。いい加減にしないと蹴り飛ばすわよ」
う・・・
うちの母親は強い。
並みの母ちゃんじゃない。
世の中の思春期の男子の多くは反抗期を経験するだろうけど、我が家ではそんなものは許されなかった
美術の教師であるうちの母親は一見大人しそうに見えるけど、空手の黒帯を所持する武道母だ。
下手に手を出すと、血を見る事となる
「おにーたん、起きなさい」
そう言って、俺の足元にしがみついている天使は俺の一回り下の妹
母親の再婚相手との間にできた子供だ
俺の両親は俺が5歳の時に離婚して、俺と姉ちゃんは母親に引き取られた
で、母親はいい年して俺が小6の時に新しい父さんと出来ちゃった結婚をして今に至る
「菜々に言われると起きないわけにはいかないなぁ~」
俺はこの妹が可愛くて仕方ない
女は基本嫌いだけど この子は天使だ
他の女みたいに計算しないし、裏切らない
純粋に俺に向かってきてくれる
菜々を抱き上げながら時計を見ると 時計は8時をさしていた
「げ。マジで遅刻じゃん!」
俺は慌てて支度をして家を出た
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