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立ち上がった画面は、すぐにネットに繋がれ、壱子がマウスを動かすのに合わせて、次々に画面が切り替わる。
志免は側の椅子を引いてきて座った。
これを壱子は読んでいるのか。
相当な動体視力だと思った。
志免は壱子が横に居ていいと言ったわけを知った。
これでは何も読めはしない。
しばらくして壱子が言った。
「ほんと。
特にシンジケート絡みで狙われてるわけじゃないみたいね。
で? 何処で狙われたんだって?」
「その先の工事現場です」
「シティホテルの改装工事のとこ?」
「そうです」
壱子は身を乗り出して、パソコン越しにビルを見た。
あのホテルは此処からだと、他のビルの陰になっている。
工事用の水色のビニールシートが、はためくのだけが僅かに見て取れた。
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