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少しは好みだったのだろうかと思う志免の前で、ぼそりと呟く。
「最初は兄弟だなんて知らなかったから、特に興味もなかったんだけど」
自分の失言に気づき、壱子は慌てて、印刷していたものをプリンタから引き抜く。
「行きましょうか、そろそろ隣、止めないと」
そうか。忠興さんが竹内さんの弟だから、サービスいいのか。
それに、竹内が好みなのなら、忠興は、好みから大きく外れているはずだ。
「何がおかしいの、志免くん?」
いえ、別に、と恐れ知らずにも笑った自分に気づき、慌てて立ち上がる。
壱子さんも可愛いところがあるなどと思っていたのだ。
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