第一章 未必の故意

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 ノブに手を掛けた壱子は背中を向けたまま、捨て台詞のように言った。 「まったくもう。志免くんって居るんだか居ないんだかわかんないから、つい、つるっとしゃべっちゃうわ」  ひどい言われようだったが、慣れた今となっては、その遠慮のなさが、ちょっと心地よくもあった。
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