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キマイラはなりふり構わずまわりの建物をライオンに似た体で切り裂きまくっていた。
キマイラにも仲間意識があったのかと驚くと同時に口から火を吐かれてはたまらないと考えキマイラに接近した。
接近してから何も策が無いことに気づいて、再び距離を置いた。
村人達も逃げ惑う者や殴りかかる者もいるが、いずれも襲われるか返り討ちにあうかで現状は絶体絶命と言っても過言ではないだろう。
周りにふと意識をやるとそこには街があったとは到底思えない光景に激 変していた。
一体のキマイラがこちらに気づいたのか尾の蛇が噛み付いてきた。死を覚悟した私は地に視線をやった。いくら待っても不思議と痛くない。
何が起こっているのかと数秒後に顔を上げるとそこには司祭様が杖で蛇の攻撃を退けている光景が広がっていた。
「司祭様!」
「このままでは全滅してしまいますね…貴方は守らせてもらいますよ。」
そう言うなり司祭様はゴニョゴニョと蛇に対抗しながら喋り始めると、いきなりの睡魔に襲われた。
私は睡魔と格闘するも、抗うことが出来ずにそのまま意識が遠くなっていくのを感じた。
最後に写っていた光景は、司祭様がニコリとこちらに笑いかけた後に、キマイラの炎を全身に浴びている姿であった。
私は目の前の光景によってか、あるいは今迄の疲れが一気にきたのか分からぬが、何にせよそれらにより意識が遠くなってそのまま重力に抗う事もせずに地に倒れ込んだ。
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