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どこからでもどうぞ。
どこか可愛げをまとったような少年が微笑しながらこちらに手招きをしている。
なるほど、どう考えても相手にされている気がしない。
脳内で軽く力強い槍を想像しながらフレイに向けて意識を集中させた。
相手の速度は今までの経緯から察するに劣っていると踏んだからだ。
この短時間でありえないほど私も成長していた、最も。元々あの村で1番動けた若者であったのだが、その当時よりも天と地ほどの差があったであろう。
今は腕力勝負とあらばゴブリンにも劣らないほど腕の筋肉が力強くなっていた。
その点に関しては1番フレイヤさんが驚いていたのだから私は少し誇らしげになっていた。
だが、相手はこれまでの相手等勿論相手にならない程屈強に違いない。
ここは先手必勝。そう脳内で思いながらフレイめがけて槍を空気を斬りながら突きつけた。
しかしながらフレイは数秒後には目の前にはいなかった。
あるのは突如現れた氷の塊だけである。
凄い速さだ、人間にしてはやるな。
突然後ろ目測250m程離れたところにフレイが立っていた。
訳が分からないままそそまま猪の如く後ろに槍を向けて突きつけた。
目の前にあるのはやはり氷の塊であった。
腕力だけでは勝てませんよ。貴方も力を使いなさい。
「力っていったって…俺はフレイヤさんから槍の使い方しか聞いてないんだよ…そもそも力ってなんだよ。」
少し子どものように大きな声を上げすぎた事に気付き、微かに照れつつ「力とはなんですか。」と言い直した。
…ふむ、その景色だと本当に知らないようだね。
仕方ないなぁ…説明するより見た方がはやいかな…
そういうなりフレイの回りに氷で出来た2匹の龍が現れた。
「…魔法か…。」
私の脳内を瞬時に過ぎったのはその言葉であった。
そう、そのとおり。君もこの世界に来れたということは、誰かとつながっているからだろう…早く力を使いうんだ。
「そういわれましても…やり方が分からないのですよ…。」
何やってるの☆魔法使っていいって言ったかなー♪
不意に横から声が飛んできた。その声は不機嫌なのか少し低音であった。
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