一方…

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流石に力を使っていなかったからか。ダメージを受けているようだが、 それでも直撃を喰らったにしては反応が薄かった。 考えたね…けど、今の一撃を本気で来なかったのは褒められないなぁ…油断でもしたのかな…いや、違うか。同情かな… そういいながら手に持っていたドールをなぎ払った後の刀を握りしめ「おかえしです」と言いながら斬りつけてきた。 流石にあの体制から避ける事は疎か、体を守る事すら出来ない俺は、その斬撃を全身で受け止めたかと思うと、 視界は全て真っ赤に染まっていた。 久方ぶりの死の痛みは意外にも一瞬のものであった。 気がつくと目の前にはフレイヤが立っていた。 ここはどうも特殊なつくりのようで、血は蘇る時に体に戻っていくみたいで辺りには血痕は見当たらなかった。 情けないなぁ…弟に負けるなんてこの先が心配だよ… 珍しく放たれたその言葉には何故かいつもの陽気さが感じられなかった。 俺はそれが気掛かりであるものの、原因は俺にあるのだろうと思う反面、力について聞いてみたくなった。 「力とは何のことなんですかね。あの人の氷の事を指すのでしょうが…私も氷が使えるのでしょうか…。」 それを聞いたフレイヤは僅かな沈黙を保った後に不意に横から声が飛んできた。 主はフレイだ。 それは我々神の持つ特技の事ですよ。私の特技は氷というだけで貴方は違う能力でしょうね。 「特技…ということは私がまだ…アフロディーテさんと契約をしていないからつかえない…とういことですか。」 そう言うとフレイは目を丸くしながらこちらを見ていた。 俺はおかしな事を言ったかと困惑していると、フレイヤがようやく口を開いた。 実はね…貴方を招待してくれたというかここに招いたのは確かにアフロディーテなんだけど…貴方と契約出来る神はアフロディーテではないんだよ。 フレイヤは淡々とそう綴った。
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