第2話

一方…

｢どういう事でしょうか。｣

フレイヤは何も答えなかった。いや、もしかしたらその沈黙が答えなのかもしれないと考えてる内にフレイが横から言葉を補う様に(残念ながら私達が話せることはここまでなんだよ)と言った

｢話せない…何故ですか。｣

役割と言ったらいいかな。私たちはある奴から依頼を受けて貴方を鍛えて欲しいと頼まれただけ。それだけだからだよ…。

いつにもなくフレイヤさんから元気が感じられない。

それより…君そろそろ戻った方がいいよ♪

｢戻るって…戻れるのですか。｣

正直な疑問であった。対しフレイヤは当然の事のように

戻れるよ。けどここには招待状が渡されない限り戻ってこれないけどね☆

と言った。
俺はそれと同時にそろそろ戻った方がいいと言う意味がよく分からなかったので、それに対して問いかけようかと考えていると

この世界は止まっている訳 ではないのです。
ちゃんと時間という概念は存在するのですよ。
しかもこの世界の時間の速度は極めて早い。はやいと言ってもここで１ヶ月経つと流石に貴方の来た世界も１日は過ぎるので、一日以上だと流石に心配という訳ですよ。

とフレイが淡々と説明をしてくれた。

「では、私はもしかしたらイエスの如く既に死んで精神だけ天の国にいる可能性もあるってことですか。」

いや、それは大丈夫だ。その場合はお前は消滅しているだろうからな。

どこからか優しげを含んだ大らかな声が聞こえた。その声は続けて(イエスの場合は元がこちら側の者だったからな。)と綴った。

そもそも…

何かを言おうとしている矢先、それを遮るかのように携帯の着信音で良く聞くルルルルルル…ルルルルルル…と小刻みにリズムを刻ませた音が辺りに響いた。

ちっ…はい、もしもし。あぁゼウスか。…あぁ、わかった。

着信音が消えたかと思うとそう先ほどの大らかな声があたりに響いたかと思うと目の前に光の塊が突如出現した。
私はとっさに半歩下がったが、その光は気にしていないようで

今ゼウスから連絡があった。
お前を帰す準備が整ったらしいから今から行くぞ。

「…わかりました。」

その場のテンポについていけずにただただ俺はそれに従うことにした。