一方…

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俺は改めて家の外に視線をやった。 辺りにはやはり村どころか家らしきものすら見当たらなかった。 近くといっても、そこそこ距離があるのだろうと感じた俺は 「あの…俺のいた村からどれほど離れた所にあるのですか。」 それを聞いたとたんノアは少し不思議そうな顔をしながら俺の顔に視線を向けた。 「質問に質問で返すのは失礼と承知でお尋ねするが、君は村にいなかったのかね。」 「うん…。俺は詳しくは話せないけど村に戻れない訳が出来ちまってね。まぁ家出したんだよ。」 「…そうか。」 ノアはそういうがまだ何かしら言いたそうであったが何かを悟ったのか(ここは村からおよそ徒歩2分程の距離が離れた所じゃよ。)と説明してくれた。 「2分程って…じゃあ村のシンボルでもある灯台が見えてもおかしくない距離じゃないか。何故そんな村の者なら誰でも知ってる筈なのに…そのような嘘を言うのだ。」 灯台とは言うなれば電波塔の様なもので、そこから村に電力を供給しているのだが、 その鋒付近には人が乗れる部分があり、そこには2,3人が警備を交互にしているのだ。 ルズも昔何度か警備に当たらされたことがあった為、その塔の事はそれなりに熟知していた。 「ほっほっほっ。まぁどの道バレる事じゃな。…いいじゃろう。全てを話してあげよう」 そういうなりノアは窓に近寄りゆっくりと語りだした。
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