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「あれは忘れもせん…いつもの様に窓の外を眺めながらハーブティーを嗜もうと思い椅子に腰を掛けていると村の方に何やら大きな物体が近づいて行ったのがワシには分かった。
…それが何かはワシには今になっても分からんが、只、そいつが村に着いたと同時ワシには地獄が舞い降りたように思えたよ。
そう思える程の光景じゃった。…建物は次々に崩れさりあちこちに火が燃え移りそれに人々の悲鳴がこだましておった。
…それがなんと一日一夜続いたよ。火の気が静まっていった頃にはあの巨体は別の方向に飛び去って行きよった。」
信じられない話に思えた。
しかし、俺にはその話が嘘だとは思えなかった。
「あの…村の様子を見たいのでここからどの方角にあるのか教えて貰えませんか」
「なーに。ここから窓を出てちょっとばかし歩いたら着くよ」
「ありがとうございます。」
そういうなり俺は腰を持ち上げ扉へと足を運んだ
「お前さん。またどこかへ行くのならこれを持ってい来なさい」
そう言ってユダは私に鉄製の長細い円柱の形をした容器を投げ渡した
受け取ってみると中に何やら液体らしきものが入っているのかチャプチャプとリズム良く波打つ音が聞こえた
俺はこれを受け取り「これは何ですか」と問うとユダは「それはただの水じゃよ。」と答えた
俺はユダという老人に軽く会釈をしてから家を出ていった。
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